ワンラック方式 わんらっくほうしき 樹脂上にメッキをするとき、前処理とメッキ工程間で引っ掛けをかえない方式。
アノードバック 陽極スライムが被メッキ物に影響を与えないように陽極を包む袋。
エメリーバフ バフにエメリー、溶融アルミナなどの研磨剤を接着したもの。
界面活性剤 かいめんかっせいざい 表面張力を減少させ、ぬれをよくしたり、又は乳化分散などの目的に用いられる物質.
隔膜 かくまく 陽極部分と陰極部分とを分離する多孔性又は透過性の膜。
緩衝剤 かんしょうざい メッキ浴のPHの変化を防ぐために添加する物質.
極棒 きょくぼう 電解槽に固定された導電部でブスバーから陽極、陰極に電流を導く金属製の棒。
キレート剤 きれーとざい 金属イオンに配位して、環状構造をもつ錯化合物(キレート化合物)を造る科学物質.
光沢剤 こうたくざい メッキ皮膜に光沢を与えるため、メッキ浴に加える添加剤。
添加剤 てんかざい メッキ皮膜の性質を向上させる目的で、メッキ浴その他の処理液に添加する物質.
バフ 布製又はその他の材料で造られた研磨輪。
引っ掛け ひっかけ 被メッキ物の支持及び通電のために用いる治具。
油性研磨剤 ゆうせいけんまざい 研磨剤を主成分とし、これに脂肪酸、鉱油、金属石鹸などを混合した研磨剤。 棒状と液状の物がある。
抑制剤 よくせいざい 化学反応又は電気化学反応の急激な、若しくは局部的な進行を防げる物質.酸洗浄などに用いる。
レジスト 化学又は電気化学反応を防ぐため、品物及び電極等の表面の一部を被覆する物質.
ろ過助剤 ろかじょざい ろ剤の目づまりを防ぎ、ろ過性能を増加させるために使用される物質.
ウイスカ 単結晶の金属繊維生成物で、貯蔵中又は使用中、自然に生成し、若しくは、メッキ処理中に生成することがある。(錫メッキなどに生成しやすい。)
渦電流式厚さ測定法 うずでんりゅうしきあつさそくていほう 装置と試料との間に渦電流を生じさせ、皮膜の厚さによって渦電流量が変化するのを測定して厚さを求める方法。
塩水噴霧試験 えんすいふんむしけん 食塩水の噴霧中に試料を暴露させ、耐食性を調べる試験.
押出し試験 おしだししけん メッキ層の背面からあなをうち、押出し棒でメッキ層を破壊して、メッキの密着性を調べる試験.
外観試験 がいかんしけん メッキ面の欠陥の有無を目視によって調べる試験.
キャス試験 きゃすしけん 塩化ナトリウム、酢酸及び塩化第二銅の混合溶液の噴霧中に試料を暴露させ、耐食性を調べる試験.
曇り くもり 光沢メッキにおいて光沢の乏しいメッキ。メッキ条件が悪いか、浴に不純物が混入している場合に生じる。
蛍光X線式厚さ測定法 けいこうえっくすせんしきあつさそくていほう 試料にX線えお照射することにより、素地及び皮膜から特有な蛍光X線が放射される。この蛍光X線強度を測定することにより厚さを求める方法。
焦げ こげ 粗いメッキで主に過大な電流密度の場合生じる。やけともいう。
こぶ状メッキ こぶじょうめっき 被メッキ物に生じる丸みをおびた突起物。
コロードコート試験 ころーどこーとしけん 腐食性薬品を含んだペーストを試料に塗布し、一定の温度及び湿度に維持して耐食性えお調べる試験.
酢酸塩水噴霧試験 さくさんえんすいふんむしけん 塩化ナトリウムと酢酸の混合溶液の噴霧中に試料を暴露させ、耐食性を調べる試験.
ざらつき メッキ浴中の固体浮遊物がメッキ層の中に入り込んで生じた小突起物。
しみ しみこんだ汚れをいう。腐食試験においては、腐食生成物による表面上の汚れ。
樹枝状メッキ じゅしじょうめっき 被メッキ物に生じる枝状又は不規則な突起物。
磁力式厚さ測定法 じりょくしき厚さそくていほう 磁力が磁性素地金属上の非磁性皮膜厚さにより変化するのを測定して厚さを求める方法。
水素ぜい性 すいそぜいせい 前処理及びメッキ操作の過程で、被メッキ物が水素を吸蔵してもろくなる現象。
多孔率 たこうりつ ポーラスクロムメッキ面の任意の面積内において、溝又はあなの占める面積の割合を百分率で表したもの。
滴下法 てきかほう 腐食性溶液をメッキ面に滴下し、メッキ層を溶かした時間からメッキの厚さを求める試験.
電解式厚さ測定法 でんかいしきあつさそくていほう 特定の電解液えお使用して、メッキ面を陽極として電解し、メッキ層を溶解除去するのに必要な時間から厚さを求める試験.
乳白メッキ にゅうはくめっき クロムメッキの場合に、電流密度が低すぎるか、又はメッキ浴の温度が高すぎる場合に生ずる光沢の乏しいメッキ。
はく離 はくり メッキ層が素地又は下地からはがれること。
ひきはがし試験 ひきはがししけん メッキ皮膜の一定幅を垂直にはがして素地との密着力を求める試験.
ピット メッキ面の生成される巨視的な穴。
ヒートサイクルテスト 試料を指定された2種類以上の温度に常温を介して交互に維持し、メッキの密着性を調べる試験.
ひび割れ ひびわれ 腐食試験において、自然に発生した細かい網状模様の割れ。
ピンホール 素地や下地層まで達するメッキの細孔。
フェロキシル試験 ふぇろきしるしけん 試験紙をフェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウム及び塩化ナトリウムの混合溶液に浸し、メッキ面に貼り付けて、メッキのピンホールえお調べる試験.
ふくれ メッキ層の一部が素地や下地層と密着しないで浮いている状態.
β線式厚さ測定法 べーたせんしきあつさそくていほう 試料にβ線を照射し、後方散乱するβ線強度が膜厚さにより変化するのを測定して厚さを求める方法。
変色 へんしょく 環境などにより、メッキ面が本来の色調を失う現象。
星状腐食 ほしじょうふしょく 腐食試験などで発生した星形の腐食欠陥。
曲げ試験 まげしけん 被メッキ物を折り曲げて、メッキの密着性を調べる試験.
水切れ みずきれ 表面が汚れているために、水皮膜が不連続に現れる現象。
密着性 みっちゃくせい メッキ層が下地に付着している力の強さ。
無メッキ むめっき メッキが付いていない状態.低電流密度部分などに生じやすい。
メッキ有効面 めっきゆうこうめん メッキ表面のうち、用途の上で重要な表面をいう。例えば、裏面など、特に重要でない部分えお除外する。
レイティングナンバ 腐食面積と有効面積との割合によって腐食の程度を示す評点。10~0に区分されれている。
バイポーラ現象 ばいぽーらげんしょう 金属を通電中のメッキ浴に置くと、陽極に面した側に-電荷、陰極側に+電荷が偏在するようになる現象。これら電荷はわずかではあるが反対イオンと反応するので、ニッケルのように不動態になりやすいものでは影響を受け、密着不良の原因となる。
膨れ ふくれ メッキ層の一部が素地や下地層と密着しないで浮いている状態.
腐食度 ふしょくど 一定期間における腐食の平均進行速度。単位面積、単位時間当たりの腐食による質量の減少で表す場合には、腐食度又は腐食率という。単位として通常、mg/d㎡/day(mdd)を用い、単位時間当たりの腐食による厚さの減少で表す場合には、侵食度といい、単位としてmm/yearを用いる。
青棒 あおぼう 酸化クロムを成分とする棒状の油性研磨剤。ニッケル、クロム等の仕上げ用。
赤棒 あかぼう 低温で焼結して出来た酸化鉄を成分とする、棒状の油性研磨剤。貴金属の仕上げ用。
還元 かんげん 酸素をもつ化合物から酸素を奪う化学変化のことであるが、ある物質が酸素を失う、水素と結合する、電子を受け取る変化も還元である。
キリンス 硝酸を主成分とする酸性の液体で、銅合金の光沢浸漬に用いる。
白錆 白錆 亜鉛又はその合金の表面に生じる白色多孔質の粉塊.
白棒 しろぼう アルミナやケイ砂粉を成分とする棒状の油性研磨剤。ステンレス鋼などの中仕上げ用。
水素脆性 すいそぜいせい 前処理及びメッキ操作の過程で、被メッキ物が水素を吸蔵してもろくなる現象。
置換 ちかん 金属イオン溶液にその金属より卑な金属を入れた場合、卑な金属が溶けた分に対応してイオンだったものが金属になる反応。
皮膜と被膜
JIS電気メッキ用語の解説によればFilmを皮膜、Coatingsを皮膜又は被覆としている。Filmは薄膜を意味するから、ISOなどをみると,メッキ関係ではストライクとクロメート膜についての記述にFilmが出てくるのみで、ほとんどがCoatingsである。これらのことから、数μm以下の薄い膜がFilm=皮膜、それ以上は被膜と使いわけられればよいのであろうが、これには多少のむりがあるかともおもわれる。 JISでも、メッキ膜についてはすべて皮膜としている